043:向こう見ず

活動記録043:



　懲りずに私は新たな役職に就きました。先輩方から、「一回死んだ方がいい」と言われました。これは人間の生死ではなく、「一回倒れて、ゆっくり休んだ方がいい」という意味です。ありがたいことだと私は思いました。心配してくれる方がいるだけ、私は幸せだと感じるのです。然し同時に、私は同期に失望もするのです。
　私が我慢できずに手を挙げるしかないような状況が、どうして生まれるのでしょう。皆がお客なのです。どうしても一歩、踏み出そうとはしない。失敗を恐れる心は、誰にでもあります。其れを乗り越えてこその、醍醐味というものがあるのではないでしょうか。私からすれば、何故この機会を活かさないのか、不思議でなりません。此れからは我々の代が、作り上げていくのです。我々の作りたい様に作れるのです。右も左も判らないからこその、冒険をしようとしません。中途半端なのです。引きも押しもせず、只無難な中間点に立っているだけなのです。
　それを気付いてか、先輩方の言葉にも苦渋の痕跡が見受けられます。私が休むには、「一度倒れる」必要があるのです。それによって、自分の限界に気付くということもあるのでしょうが、私が倒れるまで働かざるを得ない状況に存在していることを、理解してくれているのだと思います。
　先程まで述べたことは、私の個人的な感想です。受け流してくれて構いません。私たちの学校は、「各の自由」が売りです。何をやってもいいのです。何もやらなくてもいいのです。どうするのかは、自分で決めればいいのです。自分で決めなければいけないのです。其れが、「自由」というものです。
　私は、各の決定が、良い方向に進むことを祈って働くのです。其れが、私の「自由」なのです。