041:失態

活動記録041:



　今日、私は友人を二人、欺きました。
　そんなに深い罪ではありませんが、間違いなく私は、友人を二人欺きました。
　体にガタが来始めているのは重々承知です。しかし、私にはやらなければならないことが多々あります。時間を無駄にしたくないのです。今、私の意識があるうちに終わらせたいことをやり続けて、私の体が段々と悪くなっていくのを感じています。しかし、耐えねばならないのです。それが、私のわがままと、若さ故の暴走です。
　今日、「こころ」を読み終えました。お気づきの方も多いと思いますが、この日記は完璧に「こころ」の真似をして書いています。あくまで「パクリ」ではなく、「真似」なのです。
　私は、すぐ「真似」をしたがります。ですが、その理由がはっきりしないことが多いのです。軍人の格好をするのだって、友人たちの前では様々な「それらしい理由」を述べますが、根本的な理由は、自分でも全く分かっていません。
　ただ、「こころ」に登場する、「先生」に妙な共感を覚えます。具体的に何か、と言われれば、答えられそうにありませんが、確かに私は、近いものを感じるのです。傍から見れば何でもないようなことで、悩み、苦しみ、不幸の底に落とされているような感覚を覚える―実際は違うのかもしれませんが、私にはそんな風に「先生」が映りました。そんな「先生」に、私は同じようなものを感じるのです。
　今日だって、友人を欺いたにもかかわらず、とても楽しいことが起きたのです。是非日記に記したい事なのですが、今の私はそれを許すことが出来ないのです。どうしても、私にはそれを喜ぶことが罪に感じられて仕様が無いのです。
　今日も日付を越え、遅くなってしまいました。私が床に就く時間には、新聞配達のバイクが走り出すでしょう。私は、まだ眠ることが出来ません。得体の知れない脅迫観念に寄添われて、私は眠れないのです。近頃では気を失うように眠るようになりました。「まだ眠れるだけましか」と、良い様に考えています。それが、今の私の身を保つ唯一の方法と考えています。