042:無休

活動記録042:



　この三連休、所謂「朝」に起きた例がありません。深夜遅くまで寝付かない（半ば寝付けないのですが）私は、朝など到底起きられる筈も無く、既に世の中の活発になってきた時間帯に、ぬっと布団から出てくるのです。
　今日も私は、朝と昼をひとつにした食事を取り、学校へ向かいました。親には「勉強会」と称しましたが、実際はＭＣの打ち合わせです。なぜ、こんなどうでも良い嘘をつくのか。無論、テストが近いからです。只でさえ土曜日にＭＣ打ち合わせをやっているのに、さらに月曜日も、というのを、私の親が許す筈がありません。そうして、私は親をも欺いているのです。
　私は、それが形に残らないのであれば、それが私や他人の利益になるのであれば、躊躇無く親を欺きます。今までそうして生きてきたのです。親は私を心配してくれます。親の愛情として、私に小言を言ってきます。しかし、それが私には親の自己満足にしか感じられない時があるのです。体裁を気にし、己の今後ばかりを考えた発言ではないか、と、疑ってしまうのです。そして、それがどうしても私に不利益でしかないと思われたとき、嘘をついた事実が、親の目の前に触れないと確信が持てる時、私は親を欺きます。
　しかし、学生について回る、「テスト」と「成績」は、どう足掻いても、親を欺くことは出来ません。それが今までの形となって表れてくるのです。赤いペンで殴り書かれた数字と、票に縦一列、整然と並べられた数字が、私の親にとって、私の価値なのです。今の世の中はそれが当たり前なのかもしれません。全て数字が決めるのです。どういった巡り合わせか、私は数学も算数も苦手です。将来、大学では政治を学びたいと思ったことがありましたが、経済が駄目なのです。数字が絡むと、私は身動きが取れなくなるのです。だから、私はテストと成績にも戦々恐々とするのだと、都合良く考えています。
　親は、「結果を出せ」と言います。その結果は、私の限界とプロセスに見合った結果ではなく、単純な数字です。私はよく努力に裏切られますが、稀に、努力が味方をしてくれることがあります。しかし、彼の活躍を見ることなく、親は数字だけを見ます。テレビのニュースで、スポーツの結果を放送する時、大抵は、そのゲームのダイジェストがあります。結果の前のプロセスです。それが視聴者を惹きつけるのです。スポーツは、ゲームというプロセスにドラマがあり、魅力があるのです。どちらが勝って、どちらが負けたか―そんなことは二の次です。如何にして勝ち、如何にして負けたかを見るものです。人生も同じです。人間としての結果は死です。その結果についての良し悪しではなく、そこに行き着くまでのプロセスが、人間を評価するのです。
　あなたは、結局のところは言い訳だと言うでしょう。逃げだと言うでしょう。それでも、私は勉強だけで生きている人間ではないのです。数字で評価されて進む道とは違う人生を歩みたいのです。其の為に、今は数字を稼がなければいけないのですが、それが私の中での矛盾となり、苦しみになるのです。
　私のやりたいことのために、私のやりたくないことをやる。これも人生なのですね。
　今日の幸せな夕刻も、家に帰ってから机に向かった時間も、こんな日記を書いている何に繋がっていくのか。私にはわかりませんが、決して何事も無駄ではないと、自負しているのです。